


おとなはなつかしい、子どもは楽しい!
フワフワふくらむカルメ焼きを作ろう

今日の実験も面白いよ!
カルメ焼きっていう昔ながらのおかしなんだけど、お砂糖の液体に「重ソウ」っていうものを入れると、ぶくぶくふくらむんだって。

それは不思議ね~
食べても美味しいのかな!?

保護者様へ
この実験は火を使います。火傷の危険もあるため、必ず大人がそばについて、注意しながら行ってください。
動画でつくり方を見てみよう!

今回使うお砂糖:白砂糖

一般に上白糖と呼ばれ、日本で使われているお砂糖の約半分がこのお砂糖です。ザラメ糖や三温糖でも作れますが、色の変化がわかりにくいので、少しむずかしくなります。
材料
【重ソウ卵】(直径8cm×深さ2cmくらいの型 4つ分)
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重ソウ 小さじ2 -
卵白 小さじ1
【生地】(直径8cm×深さ2cmくらいの型 1つ分) ※1
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上白糖 大さじ6 -
水 80cc
※1 重ソウ卵は型4つ分の分量ですが、生地は一度に型1つずつ調理します。
用具
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計り -
温度計 -
わりばし -
小さなボウル -
小さめの片手なべ -
小さめの泡立て器 -
へら -
ふきん -
アルミカップまたはアルミホイル ※マドレーヌ用の厚めのカップがおススメです。 -
軍手など、熱に強い手袋

①まずは「重ソウ卵」をつくります。重ソウ小さじ2を小さなボウルに入れて、卵白小さじ1を加えて泡立て器でよくまぜましょう。シャーベット状になるまで5分くらいまぜます。


卵白はそのままだとプルプルしてるから、軽く切るようにまぜてやわらかくしたほうが、小さじですくいやすいよ。
②次に型を準備します。アルミカップを使う場合は、2つ重ねましょう。アルミホイルで型を作る場合は、アルミホイルを長めにちぎって半分に折り、四角・丸・三角・ハートなどお好みの形にします。だいたい直径8cm、深さ2cmほどになるように型を作りましょう。型の準備ができたら、かわいたふきんの上に置いておきます。

アルミホイルの型は、あとで熱い砂糖液をかきまぜるから、破れないように厚めにしておいてね!
③生地をつくっていきます。小さめのなべに上白糖大さじ6、水を80cc入れて、中火にかけてへらでよくまぜましょう。
④なべに温度計を入れて温度をはかります。110度をこえたら弱火にして、しっかり様子を見ながら125度になったら火からおろします。

125度:泡が大きくなり、トローっとしてくる

ここの温度がとっても大切!
100度だと、まだ透明でサラサラしているんだけど、110度になると、少しだけ色がついて、ちょっとねばっとしてくるよ。
125度になると、泡が大きくなってきてトローっとしてくるから、このときに火からおろしてね。
見た目だけで判断するのはむずかしいから、温度計でタイミングをよく見てね。
⑤火からおろしたら、アルミホイル型の「3分の2」の位置まで砂糖液をそそぎます。アルミホイルの型は高温になるので、ささえる手には必ず軍手などの熱に強い手袋をつけてください!


液体はすごく熱いから、直接なべやアルミホイルにさわらないように気をつけてね!
⑥わりばしで重ソウ卵をひとつかみして、⑤の液体に入れてください。重ソウ卵を加えたら、全体にいきわたるように、液体をいっきにかきまぜましょう。ここはスピード勝負です!

重ソウ卵は入れすぎると苦くなるから気をつけてね。
かきまぜるときは、おはしでアルミホイルをやぶかないようにね!
⑦少しずつふくらんできますが、そのまままぜ続けてください。30秒ほどしっかりとかきまぜ、トロトロしたクリーム状になったら、わりばしを外します。ちょっと待って、ふくらんできたら大成功!

ふくらまないときは、アルミホイル型をフライパンに乗せて、中火であたためてみよう。
生地の加熱が足りないせいだったら、少し熱するとふくらむよ!
⑧20分〜30分ほど冷ましたらできあがりです。アルミホイルを外してもいいですし、そのままスプーンで食べてもいいですよ。

おいしかった!
どんどんふくらんで、色も変わっていくのが不思議だったな~

おやおや、なつかしいものを作っておるな。昔はおまつりの屋台なんかでよく売っていたもんじゃ。
この不思議なおかしは、加熱された砂糖液のねばりけ(粘度)と、重ソウの熱分解というパワーをつかっているんじゃよ。

カルメ焼きがふくらむヒミツ
重ソウというのは、「炭酸水素ナトリウム」のこと。熱を加えることで、重ソウは「二酸化炭素」と「水」と「炭酸ナトリウム」に分かれます。これを「熱分解」といいます。今回は、熱した砂糖液に重ソウ卵を加えたことで、「熱分解」がおこり「二酸化炭素」という気体が発生。砂糖液はあたためられてねばりけ(粘性)が強くなっているので、この砂糖液がフタになって気体がにげられず、どんどん生地がふくらんでいくのです。


中学生の理科で学習する「熱分解」の実験です。小学校でも楽しめる実験なので、小学校から中学校に向けて難しくなっていく理科に興味を持つきっかけになるかもしれませんね。
「加熱による砂糖液の状態変化」の実験にもなります。べっこうアメの実験でくわしく紹介しているので、ぜひ見てみてください。