


お砂糖パワーでふっくらおいしいパン作り
お砂糖パワーでふっくらおいしいパン作り

あとは小麦粉とお砂糖を加えてと…
焼きたてのパンを食べるのが今から楽しみ〜♪

へぇー!パン作りにもお砂糖を使うんだねー。

そうだよ。お砂糖を使うとふっくらおいしいパンが作れるんだよ!
パン作りで活やくするお砂糖パワー
お砂糖はパン作りで甘さをプラスする以外にも大切な役わりを担っています。
①パンをふっくらさせる
パンをふくらますために必要な「酵母」。酵母とは空気中や水、果物や穀物などに住みついている目に見えない小さな生き物(微生物)のことです。パンに使われている酵母は小麦粉やお砂糖に含まれる糖をエサにして、炭酸ガスとアルコールを発生させます。(このことを「発酵」といいます。)

パン作りはこの働きを利用し、発生させた炭酸ガスをパン生地がとじこめることで、パンをふくらませます。
小麦粉だけでは、酵母が利用できる糖が少ないので、ふくらませるのが難しく固いパンになります。お砂糖を加えることで、酵母の働きが活せい化し、生地がふっくらとふくらみ、味や食感が良くなるんですよ。
だからといって、お砂糖を入れすぎてしまうと、発酵の働きをジャマして、おいしいパンにならないので要注意。そのため、酵母の量に合わせてお砂糖の量を調整することや、あまいパンにはお砂糖に強い酵母を使いましょう。
②パンをしっとりやわらかくする

お砂糖には「保水性」という水分を抱えこむチカラがあります。このチカラによって、お砂糖を使ったパンは時間がたっても、パサパサになりにくくしっとりやわらかさが保たれます。
お砂糖を使わないフランスパンと、お砂糖を入れるロールパンや食パンを数日経ってから食べ比べると、お砂糖を使っているパンのほうがしっとりやわらかさが保たれていることが分かりますよ。
③おいしそうな焼き色や香りをつける

パンを焼くとおいしそうなキツネ色になって香ばしくなるのは、お砂糖にふくまれる「糖」の変化が関係しています。
お砂糖は小麦粉や牛乳、卵などの材料に含まれるタンパク質(アミノ酸)と結びつくことで、おいしそうな焼き色と香りをつけます。これを「メイラード反応」といいます。
パンだけでなく、肉や魚の焼き色、ケーキやクッキーにおいしそうな焼き色と香りがつくのもこのおかげ。また、メイラード反応は常温でも起こり、みそやしょうゆの色も実はこの反応によるものです。

パン作りで活やくするお砂糖パワーはたくさんあるよ。
- ・甘みをつけて、よりパンのおいしさを引き立たせてくれる。
- ・酵母のエサとなり、パンがふっくらとふくらむ。
- ・お砂糖が水分を抱えこむおかげで、しっとりやわらかさが保たれやすい。
- ・メイラード反応によって、おいしそうな焼き色や香りをつける。
《参考文献》
石永正隆ほか(2007)『食品学・食品機能学』(テキスト食物と栄養学シリーズ3) 朝倉書店
医療情報科学研究所編(2019)『レビューブック管理栄養士2020』メディックメディア
東京製菓学校監修(2015)「いちばんくわしいパン事典 世界と日本のパン123種類・パンの知識と楽しみ方がわかる」世界文化社
橋本仁・高田明和編(2006) 『砂糖の科学』(シリーズ《食品の科学》) 朝倉書店
日高秀昌・岸原士郎・斎藤祥治編(2009)『砂糖の辞典』東京堂出版